水産油脂 |
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| 水産油脂とは、近年は生産量の多い魚油を指している。魚油は、原料となる魚(イワシ、サバ、スケソウダラ等)を煮熟し、煮汁の中から油を分離したものである。また、魚の肝臓だけを原料にして作られた油を肝油という。 魚油の用途は、古くから硬化してマーガリン、ショートニングの原料として使われ、最近では水産養殖魚の飼料に多くが使われている。さらに魚油中の脂肪酸に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、血中コレステロールの増加抑制、発ガン予防、老化防止の効果等が報告されている。 |
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油やけ |
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| イワシやサバなどの脂肪含量の多い魚類の乾製品、塩蔵品、煮干などで、乾燥中および貯蔵中に脂質酸化が進んで、黄色ないし赤褐色に変化する現象をいう。 脂質の自動酸化により生じたカルボニル化合物が原因物質とされているが、着色物の化学構造は不明である。 油やけしたものは、色調の劣化のみならず味や香りなど風味の劣化も著しい。 酸化を防ぐ簡単な方法はなく、実際には酸化促進要因の除去と酸化反応を阻止する方法を組み合わせて、その効果を期待している。 即ち、1.酸素との接触を避けるため、ガス置換包装あるいは脱酸素剤を使用する。 2.抗酸化剤を使用して酸化反応を抑える。 |
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エイコサペンタエン酸(EPA) |
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| 海産の生物に広く分布している。魚では青みの魚やマグロなどの脂質に多く含まれ、炭素数20で、二重結合が5つある不飽和脂肪酸である。マイワシでは日本海産はDHAより高い含量を示すことがある。 代謝物であるホルモン様な活性を示すエイコサノイド(プロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエン)はn-6系脂肪酸のアラキドン酸の代謝物とは生理活性が大きく異なる。EPAは血栓症の低減に効果が認められ、1990年に医薬品として認可された。 |
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ドコサヘキサエン酸(DHA) |
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| 海産の生物にEPAと同様広く分布し、魚類には特に多く含まれる脂肪酸である。炭素数22で、二重結合が6つある不飽和脂肪酸である。 DHA摂取により血清コレステロールのうちHDLには影響は少なく、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLは顕著に低下する。また血清トリグリセリドの低下作用が認められ、アトピー症状の改善等の報告もあり、調整粉乳、卵、水産加工食品等への添加が行なわれている。 なお二重結合が多く酸素と結合しやすい活性メチレン基を5つ有することから空気中では酸化劣化が著しく速い。 |
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脂肪酸 |
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| ○脂肪酸の基本的な化学構造は、次のように示される。 CH3CH2CH2・・・COOH 末端にメチル基(CH3)を、一方の末端にカルボキシル(COOH)をもつ。このメチル基と カルボキシル基の間に炭化水素(CH2など)をゼロから複数個結合している。 ○炭素数が2から6のものを短鎖脂肪酸、8から10のものを中鎖脂肪酸、12以上のものを長 鎖脂肪酸といっている。 ○炭素数2は酢酸(CH3COOH)、炭素数3はプロピオン酸(CH3CH2COOH)である。 ○天然の脂肪に含まれる脂肪酸は殆ど長鎖脂肪酸である。 ○脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がある。 |
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飽和脂肪酸 |
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| 脂肪酸のなかで、二重結合をまったくもたないもの。食品には、炭素数4から20までのものが含まれている。よいエネルギー源となる。代表例がパルミチン酸とステアリン酸である。(食品の百科事典より) | |
不飽和脂肪酸 |
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| 不飽和脂肪酸は、一個以上の二重結合(CH=CH)を含む。 | |
高度不飽和脂肪酸 |
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| 多価不飽和脂肪酸ともよばれるが、二重結合2つ以上のものを多価不飽和脂肪酸といい、4〜5以上のものを高度不飽和脂肪酸ということが多いが、明瞭な区別はされてない。魚油に多いエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などがる。 (食品の百科事典より) |
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不飽和脂肪酸の炭素と二重結合の位置の表わし方 |
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| 不飽和脂肪酸中の炭素の位置および二重結合の位置を表わすのに二通りの方法がある。 ○カルボキシル基側を基点にする方法 カルボキシル基(COOH)の炭素を1位の炭素(1C)とし、メチル基側に向かって順次2位 (2C)、3位(3C)、4位(4C)・・・・とし、メチル基の炭素をn位(nは総炭素数)と して炭素の位置を表わす。 二重結合の位置は、△に炭素の位置数を示す。9位と10位の間にあれば△9と表わす。 例えば、リノール酸は18個の炭素と2個の二重結合を持っており、その二重結合は9Cと10Cの間 および12Cと13Cの間にある。 18個の炭素と2個の二重結合は18:2と表わし、2個の二重結合の位置を△9,12と表わす。従って リノール酸はC18:2△9,12と表示される。なお、C18:2(9,12)あるいは単に18:2(9,12)と 表示することもある。 ○メチル基側を基点にする方法 メチル基の炭素に最も近い二重結合をもつ位置を数える。 例えば、リノール酸CH3(CH2)3CH2CH=CHCH2CH=CH(CH2)7COOH は、メチル基に最も近い二重結合がCH3から6番目のCにある。 CH3から6番目に二重結合をもつ脂肪酸をn−6(エヌマイナス6と読む。)系不飽和脂肪酸と いう。また、これをω(オメガ)6系不飽和脂肪酸ともいわれる。 CH3から3番目に二重結合をもつ脂肪酸をn‐3系不飽和脂肪酸という。また、ω3系不飽和脂 肪酸ともいわれる。 |
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共役二重結合 |
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| ○多価不飽和脂肪酸で、二重結合が飽和結合を一個挟んでいる、次の構造のものをいう。 −CH=CH−CH=CH− ○通常の多価不飽和脂肪酸は、メチレン中断型といわれる構造で、次に示すような二重結合の間に 2個の飽和結合をもっている。 −CH=CH−CH2−CH=CH ○近年では、共役二重結合の機能が注目されている。例えば共役リノール酸は発ガン物質の生成 を抑制するといわれ、その他、共役化したEPAやDHAはヒト培養ガン細胞に対して殺細胞 作用を示すことが見出された。 ○天然には牛脂や乳に共役リノール酸が含まれている。 |
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脂肪のどの部分が酸化されるか? |
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| ○脂肪分子の中で実際に酸化を受けるのは、結合している不飽和脂肪酸である。 ○特殊な脂肪を除いて、通常の不飽和脂肪酸は次に示す構造をもっている。 −CH=CH−CH2−CH=CH− ペンタジエン構造、メチレン中断型、ジビニルメタン型の二重結合配置とよばれる。 なお、ペンタとは数字の5の意で、ここでは炭素が5であることを示す。ジとは数字の2の意 で、エンとは二重結合をもつ不飽和化合物の接尾語である。 ○酸化を受ける部分は、このペンタジエン構造のメチレン基(CH2)である。 ○CH2は活性メチレン基とよばれ、光や熱のエネルギーで容易に水素ラジカル(H・)を遊離し ペンタジエンラジカル(分子全体では脂肪酸ラジカルL・)を生じる。Lは脂質LipidのLを示す。 ○ペンタジエンラジカルは活性酸素と結合し、不安定なペンタジエンヒドロペルオキシラジカル (脂肪酸ヒドロペルオキシラジカルLOO・)を生じる。 ○このラジカルは、他の不飽和脂肪酸のペンタジエンから水素原子を引き抜き、自身はペンタジ エンヒドロペルオキシド(脂肪酸ヒドロペルオキサイドLOOH)になる。 ○LOOHは不安定で、−OOH周辺の化学結合を開裂させ自体の分解に導く。最終的にはアル デヒド類、アルコール類やカルボン酸などになる。 ○L・はLOOと反応して安定なダイマー(二量体)LOOLを生じると反応は終わる。 |
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プロスタグランジン |
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| 体内で作られ、体の生理機能に関連する物質である。 リン脂質に結合した炭素数20の不飽和脂肪酸(エイコサポリエン酸)から生成される。その不飽和脂肪酸とは、アラキドン酸、ビスホモ‐γ‐リノレン酸およびエイコサペンタエン酸でる。 リン脂質は、細胞膜を構成する成分であるので、生体内のあらゆる細胞に分布し、そこにはプロスタグランジンの前駆物質であるエイコサポリエン酸が存在する。したがって、種々の臓器や体液中で広範囲にプロスタグランジンが生成されている。 プロスタグランジンは、単一の物質ではなく生理活性の異なる多種類の物質の総称である。 生理活性の主なものは、@平滑筋収縮作用、A血圧降下作用、B抗脂肪分解作用、C血小板凝集阻止作用などがある。 |
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α-リノレン酸 |
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| 食事から摂る植物給源のn-3系脂肪酸(α-リノレン酸)は有益であるが、α-リノレン酸 (ALA)の摂取効果は、既成のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA) の場合に比べ低いことが指摘されている。これは既成の長鎖n-3脂肪酸が直接取り込まれるのに対して、ALAは同様な生理効果を発揮するためには、鎖長延長と不飽和化による長鎖不飽和脂肪酸への交換が必要であるためとされている。 ALAの交換について、乳児や成人でDHAへの変換が遅く、経口投与ではALAはごく僅かな割合でEPAとDHAに変換されるが、EPAへの変換が多く、脳の発育のために脳組織へのDHAをALAから得ることは非効率であるといわれている。 |
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構造脂質 |
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| 天然の油脂より更に好ましい構造にするため、脂肪酸の部分を人工的に改質した油脂である。天然の油脂は、グリセロール骨格の1、2、3位に多種類の脂肪酸が結合した混合物である。構造脂質は、グリセロール骨格の特定の位置に、化学的あるいは生化学的手法により特定の脂肪酸を結合した脂質をいう。 グリセロール骨格の1,3位にステアリン酸を、2位にオレイン酸を結合した脂質は、カカオ脂の代用として最も早くから開発された。当初は口どけの良さなど物理的な特徴に注目があったが、最近では栄養・生理学的な観点からも見直され、各種の構造脂質が開発されるようになった。 これらの構造脂質は優れた物性を有するほか、グリセロール骨格の2位に結合した脂肪酸の機能性が注目されている。1、3位に中鎖脂肪酸が結合し、2位に機能性をもった長鎖脂肪酸が結合した構造脂質は、長鎖脂肪酸だけで構成される天然油脂に比べて、体内で早く加水分解され腸粘膜からの吸収が早いといわれている。術後の患者あるいは高齢者の栄養源として期待されている。 |